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ガンマ線バースト(GRB)は、宇宙の一点から爆発的に放射された
ガンマ線が突然地球に降り注ぐ現象である。
30年間にわたって全く謎の現象であったが、X線、可視光による
この現象の残光の発見、かすかな銀河の存在と
ドップラー偏移により源は宇宙論的遠方であることがほぼ確立した。
そのガンマ線発生機構は明らかでないが、中性子星同士あるいは
中性子星とブラックホールの合体、それに続いて相対論的に
膨張する``火の玉''説が有力である。
この超相対論的な衝撃波が形成される過程で加速された超高エネルギー
(1020eV)陽子のシンクロトロン放射によって、
TeV領域ガンマ線放出の可能性が考えらている。
今回は、チベット羊八井(標高4300m)に設置された
Tibet II/HD空気シャワー装置によって1995年10月から
1999年9月に観測されたデータを用いて、
NASAのコンプトンガンマ線観測衛星搭載のBATSE検出器で
50KeVから100MeV領域で観測されたGRBに伴うTeVガンマ線の探索を行なった。
解析対象としたBATSE GRBsは67例であったが、それらのGRBsの発生方向からの
TeVガンマ線事象を捕らえたと積極的に主張することはできないという結果になった。
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