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日本において現在、全長25kmに及ぶ重心系エネルギーがTeV領域にわたる
電子陽電子線形型加速器JLC(Japan Linear Collider)の建設が計画されている。
このJLCによって、標準模型で要となるヒッグス粒子の発見や、
さらに標準模型を超える理論に必要な実験事実を得られると期待されている。
電子陽電子線形型加速器は、衝突エネルギーの全てが反応の素過程に
使われるために反応の終状態がきれいに識別でき、さらに精密測定ができる。
これに対し円型加速器では放射光によるエネルギー損失が多いため、
加速させるエネルギーに限界があるのでこの線形型加速器が選ばれる。
JLCの測定器は大きく別けて、バーテックス測定器、中央飛跡測定器、
カロリーメータ、ミューオン測定器で構成され、カロリーメータの一部として
Si-PAD検出器がある。
カロリーメータは、衝突後に発生した粒子のエネルギーや通過位置の測定、
粒子の同定が主な使用目的で、これらの精度をより向上させるために、
Si-PAD検出器を使う。
Si-PAD検出器の実用模型として、面積1.1cm×1.1cm 厚さが300μmの
シリコンフォトダイオードが256個敷き詰められた、
17.6cm×17.6cmの有効面積をもつ検出器を開発製作し、
高エネルギー物理学研究所で、この検出器に1〜4GeV/c の運動量を持つ
粒子ビームをあてるテスト実験を行なった。
このデータの解析とシミュレーションとを比較した結果、
Si-PAD検出器の実用模型が非常にうまく作動していることがわかった。
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