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Water Cherenkov用のpool arrayをTibet羊八井高原の高さ(標高約4300m)に
設置して、10〜3,000GeVのγ線とプロトンを鉛直入射させた場合の
シミュレーションを行った。
配置するプールArrayのモデルはPMTまでの水深1.5m、面積10m × 10mの
poolを190m × 190mの中に 30m間隔で49個設置するものとした。
入射粒子はγ線とプロトンとした。
トリガー条件は3 photoelectron(p.e.と略記)以上を検出したPMTが3個以上
(Any3と略記)、5個以上(Any5)、10個(Any10)、15個以上
(Any15)存在するという4種類とした。この条件に加えてさらに
3 p.e.のthresholdを満たしているPMTが少なくとも3つの
「異なったpool」にまたがって存在していることを条件とした。
観測できるガンマ線の中心的エネルギー領域は、Any5 のトリガー条件の
場合で見るとCrab 型スペクトルの場合で約300GeV〜1TeV、
GRB910503 型 (スペクトルがTeV領域まで伸びているとして)
では約300GeV〜2TeV、同じくGRB930131では約200GeV〜2TeV、
また宇宙線プロトンでは約 200GeV〜1TeVであることがわかった。
角度分解能に関しては、同じくAny5条件のもとで見ると、
ガンマ線では入射エネルギー300GeVで平均1.2°、1TeVで平均0.6°、
またプロトンでは入射エネルギー300GeVで平均1.5°程度、
1TeVで平均1.0°程度となった。
ガンマ線源の観測可能性は、Any5の条件のもとで、Crabに対しては
約1.2σ(90日の観測)しか得られないことがわかった。
一方、ガンマ線バーストについては、ガンマ線バーストのスペクトルが
300GeVまで伸びていると仮定する場合と、おなじく10TeVまでとする
場合について調べると、GRB910503では300GeVに対して1秒当り約5.5σ、
10TeVに対して1秒当り約40σ、またGRB930131では同じ仮定で300GeVに対して
1秒当り約22σ、10TeVに対して1秒当り約200σ という大きな有意性のもとで
観測出来ることがわかった。
ガンマ線バーストのスペクトルが300GeVまでで切れている場合は
GRB930131レベルの大きさのバーストであれば充分有意に検出できる。
またGRB910503レベルでは検出限界に近くなる
が、まだゆとりは残されている。一方おなじく10TeVまでする場合は、
GRB910503もGRB930131も非常に有為なレベルの検出となり、
ガンマ線バーストがこれらの10分の1程度の強度ので
あっても4σレベルで検出できることがわかった。
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